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外国企業をM&Aした日本のIT企業

リクルートホールディングスによる世界最大の求人サイト「indeed」買収

リクルートホールディングスは、2012年に、月間のユニークビジターが1億4000万を超える世界最大の求人サイトindeedを買収しています。

リクルートは、日本国内で人材領域や飲食・旅行・美容・住宅・結婚・進学などの様々な領域で販促サービスを展開している企業として知られています。特に人材紹介事業ではリクナビやリクナビネクストといったサービス名で広く知られており、新卒採用、転職を問わず、日本のリーディングカンパニーです。

indeedは2004年にアメリカで生まれています。世界55ヶ国以上、28もの多言語でサービスを展開しています。アグリゲート型検索モデルという手法で、企業サイトにある求人情報を含めて、ネット上に散らばる様々な求人情報を検索エンジンが探してきますので、圧倒的な情報量です。

日本最大の人材系企業であったリクルートは、indeedを買収することで、世界最大の人材系企業になりました。

indeedにはリクルートにはそれまであまりなかったデータドリブンと呼ばれる文化があります。これは、技術者やデザイナー、営業の経験や勘に頼ってサービスを運営するのではなく、ユーザーの行動から得られたデータを使い、あらゆる意思決定を行うというものです。

このデータドリブンという考え方は、indeed買収後、リクルートの他の事業にも活かされるようになっており、indeed買収によるシナジーは人材領域だけにとどまりません。

ソフトバンクによるARMの買収

2016年7月18日、ソフトバンクグループは、イギリスの半導体設計大手のARMを約3兆3000億円(243億ポンド)で買収すると発表しました。ソフトバンクはこれまでに、ボーダフォンの日本法人を1兆7820億円で、米スプリントを約1兆8000億円で買収しており、日本企業としては非常に大規模なM&Aを行ってきましたが、今回はそれらを大きく上回る買収となりました。なお、この金額は日本企業による買収額としては過去最大です。

ARMは1990年にイギリスで設立された半導体設計に特化した企業です。ARMの技術はスマートフォン用CPUや通信用半導体の回路設計に広く使われており、とりわけスマホ用では世界で9割のシェアを持っています。

ソフトバンクは、今回のARM買収によって、車や家具などあらゆるモノがインターネットにつながるIoT時代に対応するための布石を打ったと言えるでしょう。 IoT時代が到来すれば、PCやスマホとは比較にならない台数へのARMのプロセッサが搭載されることになるので、そうした変化を見据えた買収と言えます。

リクルートもソフトバンクも、スピード感がある経営をする企業として有名ですが、やはり、そういった企業でないと海外企業の買収などできないのでしょう。

なお、リクルートは、2014年に株式上場してから、海外事業に積極的にチャレンジするようになってきましたが、それでも、2015年3月期における海外売上高比率は約25%に過ぎませんので、これからも海外事業を伸ばしてくるでしょう。


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